引っ越し後の子どもの心理はどのように変わるの?
引っ越しをするに当たり、子どもの心理がどのように変わるのか疑問を抱えている親御さんは多いかもしれません。
- 新しい場所での生活に慣れないのではないか?
- 幼稚園や小学校でお友達ができないのではないか?
- 周りの環境の変化についていけないのではないか?
このような不安を抱えやすいのは確かです。転校は子どもにとってかなりのストレスとなります。
隣の学区への引っ越しという大人からしてみれば狭い狭い範囲だとしても、子どもにとっては途方もなく遠い場所へと来たと感じるものです。
子どもの性格によって変わるので一概には説明できないものの、「不安」「怖い」「寂しい」といった心理が働きます。
そんな状態でも何とかして自分を適応させようと努力し、頑張り過ぎてエネルギーを使い果たして軽いうつ状態に陥るケースも少なくありません。
そこで、親御さんは普段以上に明るく接することを心掛けなければならず、積極的にスキンシップやコミュニケーションをとってあげる必要があります。
引っ越し後の子どもへの対応。どんな点に気をつければいい?
親御さんが不安そうな発言や態度をとっていると自然と子どもへと伝わり、心理状態が大きく変化しやすいので引っ越しをする際は以下の点を心掛けるべきです。
- 引っ越し先は楽しい場所だとインターネットを使って画像を見せる
- 動揺をできる限り隠して普段と同じように接する
- 「新しい学校で面白い友達がいるといいね」と前向きな言葉を投げかける
- 「お友達できた?」と必要以上に聞き過ぎない
このような点に気を配って接していれば子どもの精神的な負担は軽くなりますし、引っ越し後の新しい生活にも馴染みやすくなります。
しかし、引っ越しは子どもにとって悪いことばかりではなく、環境の変化をポジティブな機会として捉えられる姿勢を身に付けられるというメリットもあるのです。
『子どもが育つ魔法の言葉』という本の中では、「転校生を可哀想と決め付けるのはやめよう」という一節がありました。この一節は引越しのポジティブな面を端的に表していますね。
社会で生きる中で成長するに従って嫌なことが積み重なっていきますし、思春期でも社会人でも人間関係によるストレスは発生します。
心理的なストレスへの対抗力が無さすぎると些細なことで挫折しやすい人間になるので、引っ越しは子どもを成長させる良い機会だと捉えてみてはいかがでしょうか。
もちろん、引っ越しを必要以上に繰り返すのは子どもにとって大きな負担になりやすいですし、「敷金」「礼金」「引っ越し費用」など金銭的な負担が大きくなります。
必要な時に覚悟を決めてエイヤっと引っ越しするのがいいでしょう。『案ずるより産むが易し』と昔から言いますしね。
引っ越し後の子どもへの影響はどのようなもの?
さて、新居へと引っ越しするに当たり、子どもにどのような影響があるのか疑問を抱えている親御さんは多いかもしれません。
引っ越しは単身でも家族でもやるべきことがたくさんあるので負担が大きく、この点に関しては子どもも一緒です。
子どもは環境の変化に強いという意見はあるものの、多かれ少なかれ何かしらの刺激は加わります。
生物に加わる何かしらの刺激をストレッサーと呼びます。私達がどのような出来事でストレスを感じやすいのかについて幾つか挙げてみました。
- 配偶者の死:100
- 離婚:73
- 夫婦の別居:65
- 刑務所への収容:63
- 近親者の死亡:63
- 本人の怪我や病気:53
- 結婚:50
- 失業:47
- 退職:45
私たちはこのような出来事でストレスを感じやすく、配偶者の死や離婚のストレス強度が高いのは何となくお分かり頂けるはずです。
引っ越しによる環境の変化はストレス強度が25と低くなっていますが、小さな子どもにとっては大きな負担となりやすいので様々な影響があります。
- 小さな赤ちゃんならば部屋の明るさが変わるだけでも違和感を感じる
- 仲の良かったお友達や先生との別れ
- 見慣れない風景で生活していくことによる不安
- 新しい学校で友達がガラリと変わる際の不安
上記のような悩みを子どもは感じやすく、「夜泣きが酷くなった」「皮膚に湿疹が出た」「おねしょが再発した」という際は引っ越しによる環境の変化が大きな要因かもしれません。
そこで、肉体的にも精神的にも子どもへの影響を軽くするために、どのような対処をすれば良いのかまとめてみたので確認してみましょう。
現地へと出向いて新居の場所を子どもへと見せる
子どもが全くの知識のない場所へと引っ越しをするケースは多く、事前の情報が何もないと戸惑う大きな原因となります。
そのため、引っ越しの前に現地へと出向いてどのような場所へと済むのか見せてあげるのがベストです。
・新しいアパートやマンション
・近くにある公園
・新しい幼稚園や小学校
このように子どもが1日の大半を過ごす場所を最初に見せておくことで、引っ越してからの戸惑いを減らすことができます。
もちろん、引っ越す住居を決めてから子どもへと見せるのではなく、物件を選んでいる段階で子どもと一緒に足を運ぶのが良いかもしれません。
魅力的な公園や児童館といった施設があれば引っ越しが楽しくなるはずですし、不安という感情は少しずつ薄れて精神的な影響は少なくなるはずです。
いきなり知らない場所へと引っ越すよりも、気持ちの準備を整えさせてあげることが大事だと心得ておきましょう。
子どもとのスキンシップの時間を増やす
実際に引っ越しをしてから乱暴になったり甘えん坊になったりと、子どもの性格に変化が出るケースはよくあります。
「急にお腹の調子が悪くなって下痢が続く」「悪いものを食べていないのに嘔吐する」と、病気なのではないかと疑うような症状が出るかもしれません。
このような変化を感じた時はなるべく子どもとのスキンシップの時間を増やし、新居で安心して過ごせるような対処を行う必要があります。
・新しい場所でも難なく生活できる
・引っ越し先は楽しいことがいっぱい
上記のような安心感を得られると子どもは非常に高い適応能力を発揮し新しい生活に慣れていきます。ですので、ママやパパの接し方が重要なのです。
しかしそうはいっても、過度のストレスによって子どもでも体調を崩しやすく、あまりにも長い期間に渡って続くという際は小児科を受診して専門医の診察を受けてみてください。
入園前や入学前に引っ越しを済ませる
子どもへの悪影響や負担を少しでも軽くしたいのならば、入園前や入学前に引っ越しを済ませるのがベストでしょう。
・幼稚園へと入園する
・小学校へと入学する
この時期は子どもの生活がガラリと変わりやすく、途中から入ると既に友達の輪ができていて入りづらいかもしれません。
消極的な子どもならば自分から友達へと話し掛けるのすら難しいですし、安心感を与えるためには入園前や入学前に引っ越しを済ませた方が良いというのはお分かり頂けるはずです。
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